ID:329 震災と宗教者の役割
- 開催日
- 2015年03月17日(火)
- 時間
- 13:30-15:40(開場 13:10)
- 会場
- 東北大学 川内北キャンパス C201
開催レポート公開
- 使用言語
- 日本語
- 通訳
- 無し
お申し込み/お問い合わせ
E-mail:iwayumi*m.tohoku.ac.jp
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主催団体
東北大学 文学研究科
関連タグ
開催レポート
参加者数 | 130名 |
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東日本大震災の被災者支援の経験から、2012年に東北大学に実践宗教学寄附講座が設置され、「臨床宗教師」養成のプロジェクトが開始された。3年間で95名の宗教者が、スピリチュアルケアと傾聴をベースとしたケアを学ぶ研修を修了した。彼らは通常の宗教活動とは別に、現在、全国の医療機関、福祉施設等、公共空間で人々のケアに当たっており、多くはボランティアであるが、臨床宗教師として雇用されるものも出てきている。
東日本大震災は、日本の宗教者にとって、心のケアという観点からの社会貢献、宗教の存在意義と公共性について見つめ直す機会となった。被災者支援の経験から、公共空間においてケア対象者の救いとなるものは宗教的教義や教理といったものではなく、ひたすら相手に向き合い、語られる声に耳を傾けることであるということであった。しかし一方で、宗教者には、死者の弔いの場面における読経等の儀礼執行をはじめとして、医療者や心理カウンセラーと異なるスタンスで対象者と向き合うことができる存在であることが明らかになり、そのような宗教者の存在がケアの現場で実際に求められているというニーズも確かめられてきている。
このような宗教者の役割というのは、災害などの緊急時に突然思い立っても果たされるものではない。平時より、宗教者が公共空間でさまざまな信仰を持つ人々、または信仰を持たない人々に接する訓練を積み重ね、そのような存在として認知されておくことが必要である。また、宗教協力に基づいた多職種との連携体制を整えて、宗教施設を開放的に運営するといった努力も欠かせないものである。
そのような社会資源である宗教者がさまざまな場面で社会貢献を行う一つの可能性として、今後も東北大学では諸大学、諸機関と連携しながら臨床宗教師の養成を継続していく。
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イベント概要
東日本大震災を機に東北大学に設置された実践宗教学寄附講座では、公共空間で心のケアを行うことができる宗教者を養成する臨床宗教師研修を実施し、現在までにのべ95名の宗教者が修了証を受け取りました。このフォーラムでは、東日本大震災において宗教者が果たした役割を改めて振り返るとともに、被災地で始まった臨床宗教師プロジェクトが、医療や福祉の現場へと展開している最新の動向を紹介し、課題と可能性を検討します。詳細情報
13:30~13:40
開会挨拶・趣旨説明
登壇者: 高橋原(東北大学文学研究科 准教授)
13:40~14:05
講演1 「カフェ・デ・モンクの活動について」
登壇者: 金田諦応(曹洞宗通大寺住職)
14:05~14:30
講演2 「臨床宗教師の意義について」
登壇者:谷山洋三(東北大学文学研究科 准教授)
14:30~14:45
パネル報告1 「カリタス石巻ベースの活動から」
登壇者:細谷朋子(オタワ愛徳修道女会)
14:45~15:00
パネル報告2 「チームビハーラの活動から」
登壇者:遠山玄秀(日蓮宗)
15:00~15:15
パネル報告3 「沼口医院での臨床宗教師としての活動から」
登壇者:田中至道(浄土真宗本願寺派)
15:15~15:40 パネル報告へのコメント・質疑応答
登壇者:篠原鋭一(曹洞宗長寿院住職)