第3回国連防災会議への東北大学の取り組み | Tohoku University DRR Actions

国連防災会議

ID:173 巨大災害に対する保健医療の備え

開催日
2015年03月16日(月)
時間
13:30-16:00(開場 13:15)
会場
東北大学 川内北キャンパス B102

開催レポート公開

使用言語
英語
通訳
無し

お申し込み/お問い合わせ

E-mail:egawas*surg1.med.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

http://www.irides-icdm.med.tohoku.ac.jp/index.html

主催団体

東北大学 災害科学国際研究所(IRIDeS)

共催団体等

共催:独立行政法人 国際協力機構(JICA)

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開催レポート

参加者数 89名

人々の『健康』をすべてのハザードに対する防災減災の中心に据えることが重要です。普段から精神的・身体的な健康の水準を向上させ、保健医療機関を災害に強くするとともにアクセス性を向上させることで、地域社会をより災害に強くすることができます。災害医療関係者と一般の医療従事者、さらには保健医療関係者と他分野の関係者が防災について相互理解を推進しなくてはなりません。

第1部ではシンポジウム形式で、災害感染症、放射線医学、医療情報など災害において考慮すべきさまざまな問題をとりあげ、アフリカのエボラウイルス感染症などのバイオハザードを含むすべてのハザードに対して対応できる脆弱性の除去と対応能力の向上について討論されました。また、フィリピンの台風災害の経験を共有するとともに、JICAの協力を得て、タイ、インドネシアの災害医療体制、JICAの国際緊急医療援助体制と技術開発についての共有がなされました。

第2部は静岡県により開発された避難所運営ゲーム(HUG®)を静岡県の許可を得て英訳したものを用いて実際に災害のときに避難所でどのような問題が起きうるかを体験するロールプレイゲームを行いました。国際的な価値観や文化の違いにより避難所運営ゲームはより活き活きとしたものになりました。例えばペットをどのように扱うかは、グループにより結論が分かれ、解決方法が一つではないことを教えてくれました。

保健医療関係者はこれまで防災の枠組み策定の過程にあまり関与することがありませんでした。WHOや国連加盟国を含む多方面からの努力により、仙台防災枠組2015-2030では災害における人々のこころとからだの健康を守ることが大きく取り入れられました。兵庫行動枠組では構造的、非構造的そして機能的に『安全な病院』が大きく推進されましたが、仙台防災枠組では日常的な健康水準の向上、幅広くメンタルヘルスや慢性疾患にも配慮した国家的な災害医療体制の樹立が地域社会の備えとして基本になることが述べられています。

健康面でのレジリエンスは戦略的に追及されるべきで、災害科学国際研究所に設立される災害統計グローバルセンターにも健康の指標を取り入れて検証されていくことが必要です。

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イベント概要

災害に強い健康な社会を構築するためには、①政策提言や行動枠組み、②災害弱者への対応と備え、③メンタルヘルスと地域社会、④インフラとロジスティックス、⑤医療従事者と地域社会の教育と訓練のそれぞれを融合的に推進することが大切です。ここでは災害に強い地域社会と人々の健康を守るためにはどのような備えと工夫が必要かについてシンポジウムとワークショップを行います。

詳細情報

第一部 広域大規模災害に対する保健医療の備え
司会:災害医療国際協力学分野 教授 江川新一、米国災害保健医療学会 理事長
James J. James

目的:
災害のリスク減少は人々の精神的・身体的な健康を主軸に据えなくてはなりません。 災害に対する保健医療の備えは、例えば日本DMATや災害拠点病院、情報管理やコーディネーターを国家的に備えることです。気候変動や、急激な都市化、貧困、資源不足や生物学的多様性などを考慮すると、大規模災害では国際的な医療支援と調整が大変重要です。放射線災害や生物学的災害なども含めたマルチハザードに対応できる備えが必要です。国際的な災害保健医療の考え方を樹立し、標準化することで、アジア地域におけるネットワーク形成の可能性を追求します。このワークショップは、一般の医療従事者、保健医療の専門家さらには国際保健医療支援者に対する教育や訓練の標準化のあり方について議論します。

13:30-13:45
日本とフィリピンにおける災害感染症共同研究
登壇者:浩日勒、白鳥ベアタ、芦野有吾、服部俊夫(災害科学国際研究所 災害感染症学分野 助教)、Elizabeth Telan.(National Reference Laboratory-SACCL San Lazaro Hospital, Manila, Philippines)

13:45-14:00
結核流行の季節性 -時系列解析のサーベイランスデータへの適用-
登壇者:鷲見綾子(札幌医科大学医学部衛生学講座 准教授)

14:00-14:15
AIDS流行と災害:治癒にむかって収束させるには
登壇者:Lishomwa C. Ndhlovu(ハワイ大学マノア校 熱帯医学分野、ハワイAIDSセンター
准教授)

14:15-14:30
静岡県における災害関連感染症に対する備え:地震と津波にもっとも晒される病院群
に対するアンケート調査
登壇者:袴田康弘(静岡県立総合病院 総合診療センター)

14:30-14:45
東日本大震災における放射線災害と医療対応(仮題)
登壇者:細井義夫(災害科学国際研究所 災害放射線医学分野 教授)

14:45-15:00
災害時に必要な医療情報
登壇者:中山雅晴(災害科学国際研究所 災害医療情報学分野 教授)

15:00-15:20
台風ハイアン(ヨランダ)前後における病院の備え(仮題)
登壇者:Aileen Espina(Eastern Visayas Regional Medical Center院長、タクロバン、フィリピン)

15:20-15:40
わが国の国際保健医療支援(仮題)
登壇者:鈴木則子(JICA 事務局長)

15:40-15:55
タイにおけるDMATの教育と訓練(仮題)
演者未定(タイ)

15:55-16:10
インドネシアにおける災害医療(仮題)
演者未定(インドネシア)

16:10-16:40
総合討論

第二部 避難所運営ゲームと仮想ヘルスクラスターミーティング
2つの参加型ロールプレイングゲームを通して、災害時に起きるこころと身体の健康
被害について実感してもらうとともに、保健医療支援に関する関係者が一同に会する
ヘルスクラスターミーティングも体験していただきます。

17:30-18:30
避難所運営ゲーム(HUG)(r)は静岡県によって開発されました。参加者は子供、女
性、お年寄り、障がい者や慢性疾患患者、外国人などを含む被災者の特殊なニーズを
把握し、自らも避難者の一員として対応しなくてはなりません。
参加者は、地域社会で災害時に弱いところを改善するアイディアを見つけることで
しょう。

18:30-19:30
仮想ヘルスクラスターミーティングは参加者が被災地のさまざまなニーズや要求に対
して対応するための議論の場を提供します。体験を分かち合い、積極的に議論に参加
してください。

19:30-19:45
閉会と撤収

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