ID:162 震災時のがん医療
- 開催日
- 2015年03月14日(土)
- 時間
- 14:00-16:00(開場 13:30)
- 会場
- 東北大学 川内北キャンパス C201
開催レポート公開
- 使用言語
- 日本語
- 通訳
- 英語対応スタッフ
お申し込み/お問い合わせ
FAXまたは、E-mailにてお申込ください。
E-mail:ganpro*med.tohoku.ac.jp
(*を@に変えてください)
FAX:022-717-7896
http://www.hosp.tohoku.ac.jp/release/event/4074.html
主催団体
東北大学 医学系研究科
関連タグ
PDFファイルなど
開催レポート
参加者数 | 72名 |
---|
東北大学、山形大学、福島県立医科大学、新潟大学の4大学は共同してがん専門医療者の育成を目的とした「東北がんプロフェッショナル養成推進プラン(以下東北がんプロ)を運営している。東日本大震災後のがん患者の救済やがん医療の復興に向けて、東北がんプロは諸医療機関と連携しつつ様々な活動を行ってきた。本フォーラムでは、これらの活動で中心的な役割を果たされた5名の演者の経験から、このような大災害時におけるがん専門医療者の役割について示唆を得た。
震災後唯一機能を残した赤十字病院で勤務していた石井氏は、石巻地域を14区域に分割し、がん医療を含む必要なリソースを提供するという中心的役割を担った。955の支援救護チームを一元化し、半年後の活動終了までのべ53696名の診療を実施した。また、今後の大災害に向け、災害医療ACT研究所を設立し、災害時医療研修やモバイル端末による避難所アセスメントシステム開発などを行っている。
赤羽氏は巨大津波によって勤務する市立病院が一瞬にして機能を喪失するという体験をされ、その後は石巻地区でがん患者救済に奔走された。今後のリスク管理について、海の近くに医療施設をつくらないこと、もし作る場合は一階に緊急電源、医療記録、救急医療設備をおかないこと、また医療施設間の連携の重要さについて提言された。
山形大学放射線科専門医である萩原氏らは、福島第一原子力発電所事故後いち早く東北地域の線量計測を開始し、情報を発信した。また、県や施設を超えた組織である東北がんネットワークのメーリングリストを利用した情報共有や必要な支援の配備などを行った。
菅野氏は、震災時の地域がん患者の実態やニーズに関する質的研究を通じて明らかにし、今後のシステム構築について提言を行った。
東北大学災害産婦人科伊藤氏は、この震災が子宮がん検診体制に及ぼした影響に関する研究結果をもとに、今後の子宮がん検診受診率回復に向けての提言を行った。
ダウンロードデータ
イベント概要
東日本大震災の大規模被災県(宮城県と福島県)と隣接県(山形県と新潟県)における中心的な「がん」医療機関である、東北大学、山形大学、福島県立医科大学、新潟大学の4大学から構成される「東北がんプロフェッショナル養成推進プラン」によるシンポジウムである。大震災時に経験したがん医療への反省から、大規模災害時におけるがん医療への支援体制の課題と対策について討論し、提言を行う。詳細情報
14:00~
開会のご挨拶
登壇者: 石岡千加史(東北大学加齢医学研究所臨床腫瘍学分野 教授)
講 演 「石巻医療圏における東日本大震災への対応と次への備え」
登壇者: 石井正(東北大学病院総合地域医療教育支援部 教授)
講 演 「東日本大震災の経験から学んだ事」
登壇者: 赤羽武弘(石巻赤十字病院消化器内科 部長)
講 演 「東日本大震災で東北がんネットワーク[放射線治療専門委員会]が果たした役割」
登壇者: 萩原靖倫(山形大学医学部東北未来がん医療学講座 助教)
講 演 「東日本大震災の被災沿岸地域の医療者へのインタビュー調査に基づく災害時におけるがん患者の緩和ケア・在宅医療の在り方に関する研究」
登壇者: 菅野喜久子(石巻赤十字病院がん看護専門看護師/緩和ケア認定看護師)
講 演 「東日本大震災が子宮がん検診に及ぼした影響と対策」
登壇者: 伊藤潔(東北大学災害科学国際研究所災害医学研究部門災害産婦人科学分野 教授)
~16:00
閉会